量産型のスカイラインクーペの歴史は3代目の「ハコスカ」から始まったとも言われています。
1968年7月にデビューしたハコスカは、最初は1500ccのセダンのみという設定でした。しかし、その2か月後に直列6気筒のL20型エンジンを搭載したハコスカ2000GTが誕生しましたね。
発売開始から2か月後に新エンジン搭載というのがとても期間が短いです。最初にハコスカの1500ccのセダンで買った方々は納得できたんでしょうかね?日産に駆け込んだ人も多かったかもしれません。
そして、翌年2月にはハコスカGTRが誕生、同年8月には1800ccを追加!
スカイラインはバリエーションがどんどん増えていきました。もう最初に買った方々の心境は想像もできませんね。
でも、今の時代となれば、初期型の方が価値が高くなることも多いですから、ハコスカを現在もずっと所有されている方が居れば鼻高々なのかもしれませんね。
そんなハコスカシリーズの中で、ハコスカの6気筒のスカイラインGTモデルは、4気筒に比べて長いエンジンを搭載するために、ノーズを195mm延長しています。
これはセダンもクーペも変わらず、デザイン上でもとても大きな差となっていますね。
あの頃、ロングノーズのスタイルはとてもレーシーで、ハコスカは誰もが認めるスポーツカーとしての証でした。
ハコスカに搭載されていたエンジンは年式・グレードによって様々ですが、スカイライン2000GTに搭載されていたL20型のエンジンは日産製のエンジンなんです。
そしてハコスカGTRに搭載されたS20型エンジンや1500cc・1800ccの4気筒エンジンはプリンス自動車の開発によるエンジンでした。
ハコスカは、ちょうど日産とプリンス自動車の合併後、最初の車両なので、このようにグレードによってハコスカに搭載されるエンジンの種類が混ざってしまっているわけですね。スカイラインで同じ車種なのにグレードの違いであれほど特徴に違いがあるのも納得です。
そして、L型エンジンといえば、今やハコスカのチューニングの世界では知らない人は居ないくらいのエンジンですよね。L型エンジンの名前の由来は直列(Line)エンジン」のLineの「L」を取ってるらしいです。
このエンジンはスカイラインだけでなく、フェアレディZやセドリック・グロリアへも搭載されていました。
もともと剛性が高く、ポテンシャルがとても高いエンジンなのでチューンナップを施せば、飛躍的にパワーアップすることが出来ます。
今でもハコスカは現役でゼロヨンの競技やレースの世界で活躍していますから、ハコスカの心臓はまさに不朽の名機といえるスーパーエンジンですね。
スカイラインの3代目ハコスカが誕生したのが昭和40年。会社の上層部では日産とプリンスの合併の話あっている頃ですね。そのころ現場では次期スカイラインの開発が進んでいました。
合併した41年ころにはすでに箱スカイラインの試作車が作られていたそうです。
あの頃、ハコスカは高速道の整備を考慮したエアロダイナルックと呼ばれるボディーデザインがとても斬新でした。そうは言っても、ハコスカは時速100km/hを超えてくるととんでもない風切り音がしたんですが…。エアロダイナルックは効いていたのでしょうか?気になります。
ハコスカの最初のモデルでは1500シリーズからの発売で、プリンス系のG15型のエンジンはたった88馬力でした。88馬力と言えば、昔のS57型のモデルが2台で砂浜を走り回ってくるくる回りながらエンジンの出力の88の文字を書いていく面白いスカイラインのCMがありましたね。
でも88馬力のエンジンではユーザーから物足りないと言われてました。そのこともあってなのか、2か月後にはL20型エンジンを搭載したハコスカ2000GTシリーズが発売となりました。
しかし、ハコスカのチューンアップが好きな人にはまだまだ満足できなかったようですが、こうしてL型のハコスカが誕生しました。